”枯葉(Les Feuilles mortes)”と同じくシャンソン歌手のジャック・プレヴェール(Jacques Prévert)と作曲家のウラジミール・コスマ(Vladimir Cosma)のコンビによる1950年の曲である。
シュール・レアリスト(超現実主義者)のジャック・プレヴェールは難解な曲も書いているが、その言葉使いはしばしば卑俗なものを捕らえて詩にしている。この”ひまわり”の詩はその典型的な例で、バスチュームやベルヴィルといった下町や労働者の吸う安煙草のジターヌ(ジプシー女)などといった事柄を取り上げて歌詞を形作っている。ウラジミール・コスマは従来の甘いメロディーから転じてジャヴァの歯切れ良いリズムを使用してパリの下町独特の雰囲気を漂わせた曲にしている。 ひまわり
今日も 明日も 秋や冬には パリの空は暗くけむる 哀しい心 けれども 春が来れば 乙女の胸に開く花 (Reftain) ひまわり ひまわり 夏を待つ花 今日も街のかどで 踊る貧しあの娘は いとしの花 ひかりの花 トゥーヌソル トゥーヌソル トゥーヌソル まわる あの花 喜びの春 愛のあした 若い君の夢のせて 青い煙 パリの空に 高く香る 花の季節 (Reftain) #
by g_vocal
| 2009-03-04 10:32
| シャンソン
「アムール、それは(Amour, Je Te Dois)」は1960年のコック・ド・ラ・シャンソン(Coq De La Chanson Française)でグランプリを獲得した名曲。
シャンソン歌手のリサイタルがよく行われるので私たちにもお馴染みのオランピア劇場でこのコンクールは開催された。 ”ジプシーたち”や”初めての日のように”など質の高いヒット曲を数多く生み出したコンクールの主宰はオランピア劇場のアートディレクター(支配人)のブリューノ・コカトリックス(Bruno Coquatrix)である。 この曲はバンドリーダーのピエール・ドルセ(Pierre Dorsay)が曲を書き、ラ・マンマ(La Mamma)で有名なロベール・ギャル(Robert Gall)が作詞、創唱者はロベール・ジャンタル(Robert Jeantal)というバリトン歌手である。最近はあまり活躍していないようだが、この”アムール、それは”は”愛のおかげで”という訳でも知られているスローロックの曲。 ロベール・ジャンタルは歌手生命の全てをこの”アムール、それは”にかけてしまったようだ。 アムール、それは
日本語訳詩 高木史朗 アムール それは 春のたいよう アムール それは 生きる命よ 君故に今日も楽しい幸せが一杯 アムール それは バラの香りよ アムール それは 生きる喜び 君故にこの世は美しい 愛故に他の詩 世はすべて 光満ちる 天に星 地には花 人に愛 二人の愛 永遠に変わらぬ愛 #
by g_vocal
| 2009-02-15 17:31
| シャンソン
世界の恋人の異名をとるスペインの人気歌手のフリオ・イグレシアスが日本でフリオ・ブームを生むきっかけとなった名アルバムが1981年に発売された「愛・フィエスタ」である。
但し、”33歳(33 años)”を収録したこのアルバム「A Mis 33 Años」がスペイン本国で発表されたのは1977年のことである。 ”33歳”の作詞・作曲はフリオ・イグレシアスで、33歳になり人生の半ばに達した彼は過ぎ去った日々を振り返り歌い上げて「マイウエイ」にも勝るとも劣らぬ名曲と云われている。甘くてしかもほろ苦く、男性的でありながら優しさに満ち溢れた曲である。 33 Años - Julio Iglesias - YouTube オリジナルは1977年のアルバム「A mis 33 años」の試聴 http://www.amazon.com/Mis-33-A%C3%B1os-Julio-Iglesias/dp/B000002ET2 #
by g_vocal
| 2009-01-23 15:43
| おもひで
「17才(17 Ans)」はシャンソン歌手のジョルジュ・ムスタキ(Georges Moustaki)の哲学でもある青春を題材にして1969年に作詞及び作曲された代表曲である。
ムスタキは現在フランスで最も人気のあるシンガー・ソングライターだが、かってはピアフが歌った”ミロール”などの作詞を手掛けたものの作曲家としてはシャンソン界では影の薄い存在だった。 1970年にステージで”異国の人”を歌っていらい、レコード界でスターの道を歩んでいるようだ。 ムスタキの心の底には、いつでも愛があり、青春がある。 他にもこの曲の題材がよく似ている”もう遅すぎる”や”ヒロシマ”や”私の孤独”などの作品がある。 ムスタキの”17才”はhttp://www.wfmu.org/playlists/shows/29679で聴くことができる。 #
by g_vocal
| 2008-12-30 22:20
| シャンソン
”ブロードウェイの靴みがき(Cireurs de Souliers de Broadway)”はジャック・プレヴェール(Jacques Prévert)の詩にイヴ・モンタン(Yves Montand)の専属ギタリストだったアンリ・クロラ(Henry Crolla)がメロディーをつけて1950年に発表された曲だが、実際に作られたのはそれより5年ほど前のこと。
”ブロードウエイの靴みがき”の創唱者は無論イヴ・モンタンであるが、第二次世界大戦終戦直後のイヴ・モンタンはパリを開放してくれた連合軍のアメリカ軍人の人気に乗ったと云われているが、カウボーイ姿でウエスタンなどを歌っていたそうだ。いわゆるアメリカかぶれ。 当時交流のあったエディット・ピアフ(Edith Piaf)に忠告されて徐々に方向転換を志したイヴ・モンタンは質的により高度な作品を求めて”ブロードウェイの靴みがき”や”ジャズ狂”など一連の曲を取り上げるようになったそうだ。 これらの作品は今も尚、イヴ・モンタンの重要なレパートリーとなっている。 アルバム「Yves Montand Gold」の”Cireurs de Souliers de Broadway”の試聴はYves Montand - Cireurs de Souliers de Broadway - Musico.jp ブロードウェイの靴みがき 日本語訳詩は小松清 イントロは”tempo de slow” 心をこめて磨いた靴 街の靴みがき 黒い靴みがき その子に小銭を投げ 光る靴を眺めもしないで白人はゆくよ ブロードウエイの通りの人々の群れの中に行けば 黒い子供が腕によりをかけたその靴 たちまち 踏まれて光が消えるよ 白い歯を見せて ハケでこすり キレで拭いて 歌をうたい 磨いた靴 その歌は歌う黒人トムの話 イヴ・モンタンの”ブロードウェイの靴みがき”をリアルプレーヤーで聴いて下さい。(最後の方) Yves Montand Les Cireurs de Souliers de Broadway #
by g_vocal
| 2008-12-20 15:21
| シャンソン
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