古道具屋 Cambalache

タンゴの名曲”カンバラーチエ(古道具屋)”は見事に本質を見抜いた20世紀のテーマ・ソング

1998年にメキシコでリリースされた「禁じられたタンゴ」は本場アルゼンチンではまず無理な
企画だろうというのも、タンゴの裏面史を音楽と解説で浮き彫りにして興味つきないアルバムだからである。

そのアルバムこにこの恐ろしい歌”カンバラーチエ(Cambalache)”も選ばれている。Yira, yira(ジーラ・ジーラ)などの名曲の作者として知られる”Enrique Santos Discépolo(エンリケ・サントス・ディセポロ)”が1934年に詞も曲も書いた。ディセポロというとペシミスチックという言葉が思い浮かぶが、この歌は厭世的だから恐ろしいというわけではない。大恐慌後の不安定な時代に作ったとはいえ、今から60余年もの昔に20世紀という時代の本質を見抜ていたことに恐れを抱くのだ。

これまでも これからも この世は豚小屋 わかっているさ
506年だろうと 2000年だろうと おなじこと
いつの世にも棲んでる泥棒ども、策略家に詐欺師たち
満ち足りた人と苦しんでいる人
とにかく20世紀とは
悪がずうずうしくのさばる時代ということを
否定する者はいないだろう
私たちは馬鹿騒ぎの中で
同じぬかるみのなかで
べてはおなじこと
誰もが紳士でだれもがどろぼう

「古道具屋」の無礼なガラス棚の中と同様に 人生はまざり合う
ごらん
閉め釘の抜けたサーベルに傷つけられたバイブルが
湯沸しにもたれて泣いている
20世紀は古道具屋
問題を抱え熱病にかかっている
泣かなきゃ、お乳が飲めない
盗まない奴は間抜けなんだ


20世紀を振り返って戦争の世紀だったという人がいる。科学の時代、原子力の時代だという人もいるだろう。ウーマンリブの時代、混沌の時代だった事も確かだ。しかし、ディセポロがこの歌で指摘したように人間が美徳と誇りを捨て去り、泥棒や策略家や詐欺師どもがのさばる悪の時代というのが一番的を得てはいないだろうか。

しかし20世紀は第三世界台頭の時代でもあ、中でもラテンアメリカが生み出した音楽が世界を動かした時代でもあった。
タンゴ、ルンバ、マンボ、ボレロ、サンバなど、21世紀は確実にラテンアメリカの時代となりその音楽がますます隆盛することになりそうである。

カンバラーチエ(古道具屋)に関連した過去記事は想いのとどく日 El Dla Que Me Quieras
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by g_vocal | 2006-12-08 14:54 | ラテン
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