ジプシーの恋歌

Georges Moustaki(ジョルジュ・ムスタキ)作曲のLe Meteque(ル・メテック 異国の人)は1969年にPia Colombo(ピア・コロンボ)により歌われた。 それはあまり評判にならなかったが、ムスタキ自身が歌ってから一躍有名になった曲として知られる。  彼独特のつぶやくような歌い方は、なかなか我が国では理解されず、韓国ドラマ「ばら色の人生」に取り上げられてからヒットした。 曲名の「ル・メテック」という言葉は軽侮をこめた「外人」の意味を持っているので、おそらく自分自身を指しているようだ。

ジョルジュ・ムスタキは又ピアフの「ミロール」の作詞者としても知られていたが、ピアフから離れてからは世間から忘れられた存在になっていた。 そんなムスタキがフランス全土にゼネストの嵐が吹いた1968年5月のいわゆる5月革命の時に、「異国の人」を歌ってにわかに脚光を浴びるようになった。 1973年の東京音楽祭のゲストとして初来日して以来、新しいシャンソン歌手として、我が国でも注目され始めた。 

ムスタキのナンバーでは「時は過ぎてゆく(原題「もう遅すぎる)」とも歌われ、コンサートでは「私の孤独」がレパートリーとして好まれている。


ジプシーの恋唄
更にピアフが歌いCDにも組み込まれていながら、難曲のためであろうか、余り歌われてないように感じているのが今回とりあげた「ジプシーの恋唄」です。 残念ながらムスタキの曲でありながら、女性バージョンのしか知らない4分程の曲の中で、前奏の後の凄みを利かせたバラードはこんなふう

  「ジプシーは娘に言う
  お前のためなら
  牢屋で死んでも
  かまわない
  お前の嬉しがる
  顔が見たさに
  盗みの一つも
  しかねない
  このおれの胸は
  恋にこがれている
  奏でるギターの
  音のように」

キーが変わる、そして続く
 
  「ジプシーは娘に言う
  お前のためなら
  牢屋で死んでも
  かまわない
  お前を好きになる
  男は誰でも
  相手かまわず
  殺すだろう
  血にまみれた手を
  お前にさしのべ
  愛しておくれと
  叫ぶだろう」

曲はバラードからスパニッシュに変わり

  「ジプシーは娘に言う
  お前のためなら
  牢屋で死んでも
  かまわない
  誰にもゆずれない
  おれ一人のもの
  お前は何時か
  おれのもの
  死が訪れたなら
  お前も道ずれ
  放しはしないさ
  いつまでも・・・」

そしてバラード、ハバネラ、スパニッシュと繰り返すこの難曲は終わるのである。

私の願いは、ムスタキはどのようにこの「ジプシーの恋唄」を歌っているのであろうか。 聴いてみたい想いである。
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by g_vocal | 2005-10-15 18:50 | シャンソン
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