タンゴという音楽はスペイン語の世界に各種あるが、最初はスペイン南部のアンダルシーア地方に生まれたらしい。
ここではいわゆるアルゼンチンタンゴのことで19世紀の後半、アルゼンチンの首都のブエノスアイレスの場末でダンスとしてのタンゴが生まれた。音楽は2拍子の単純なもので、他の国の色々なリズムの影響も受けていた。男女が抱き合って踊るところに特徴がある革命的なダンスだった。1910年頃にはドイツ製のバンドネオンという落ち着いた音色の楽器が必ずタンゴの演奏に加わるようになり聴く音楽にもなってきた。 スペイン出身の歌手のJulio Iglesias(フリオ・イグレシアス)の子供時代にはもうタンゴはアルゼンチン以外では忘れられようとしている音楽であったろう。しかしスペイン語世界では歌のタンゴはいつも人々の意識の底に残っていた。自作がないという意味で、フリオ・イグレシアスは1978年に”Caminito(カミニート)”を唄い、”Adios, Pampa Mia(アデオス・パンパ・ミア)”、そして20世紀を代表する”Cambalache(古道具屋)”を無頼な唄い方で再評価させた。 「想いのとどく日」は歌のタンゴとして最高の表現者、タンゴ歌手の元祖である”Carlos Gardel(カルロス・ガルデル)”が同名の主演映画のために作った。作詩は脚本家の”Alfredo Lepera(アルフレド・レペラ)”で、ガルデル自身が”この曲はタンゴの枠を超えた世界のポピュラー音楽の一つとして作った”と語っているそうである。 偉大な歌手”カルロス・ガルデル”はこの映画で若者が初老の男に至るるまでの半生を演じ、ラストシーンでは病死した妻に生き写しの娘が恋人を見つけるのを見守っている。この「想いのとどく日」は娘の初恋のシーンで歌われる”愛の賛歌”である 想いのとどく日 なめらかな君の吐息が私の夢を優しくなでる 華やかなバラは君の好きな色の祭りの着物に身を包む 空の青みから嫉妬深い星が二人を見つめるだろう 君の髪に巣をつくった不思議なホタルは 君が私の、慰めだとさとることだろう
by g_vocal
| 2006-12-12 13:56
| ラテン
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