人気ブログランキング | 話題のタグを見る

キエレメ・ムーチョ もっと愛して

「Quiereme mucho(キエレメ・ムーチョ)」は良き時代のキューバの熱く甘美な恋の歌である。
曲名が少し似ているせいか日本では「Bésame mucho(ベサメ・ムーチョ)」と比較される事が多い曲ですが、こちらはメキシコ、一方「キエレメ・ムーチ」はキューバを代表するラヴソングであり、その愛も全く異質なのだかそもそも比較するほうがおかしいのである。

キユーバのクラシック系の音楽家である”Gonzalo Roig(ゴンサロ・ロイグ)”が1931年に「キエレメ・ムーチョ」の作詩者とされているAgustin Rodriguez(アグステイン・ロドリゲス)と共もにLa Habana(ラ・アバナ)のTeatro Marti(マルテイ劇場)の中にベルナークロ劇団を組織し、その翌年32年にはキューバを代表すると後に評価される傑作「サルスエラ Cecilia Valdes(セシリア・バルデース)」を初演している。
それやこれやで31年にゴンサロ・ロイグがサルスエラのテーマ曲として「キエレメ・ムーチョ」を作曲し、それにロドリゲスが作詩した。ということである。
※”サルスエラ”とはスペインの国民的なオペラを指します。


曲名は”うんと愛して”という意味です。

うんとあたしを愛して
わたしのスイートな恋人よ
変わらぬ愛を込めて
あなたを熱愛するでしょう
あなたのくちずけと愛撫で
わたしの悩みは静まるでしょう
私があなたを愛してるように
本当に愛しあっていれば
ねえあなた、無理です
そんなに離れて暮らすなんて


直裁でありながら気品を失わず、しかも恋人達の心情を捕らえた歌詞がいい。
そして覚えやすくて美しいメロデイがいい。
それはとりもなおさず第1次大戦前の1910年ごろというよき時代のキューバの古風なムードそのものかもしれない。

”Yours(ユアーズ)”という英語タイトルもつけられています。
by g_vocal | 2006-12-11 14:20 | ラテン
<< 想いのとどく日 El Dla ... お祭りマンボ >>